高橋正樹 | Masaki Takahashi
2024-03-27
PTP制御とCP制御とは?

今回は、産業用ロボットのティーチングの方式である”PTP制御とCP制御”と、KeiganALIの走行モードを比較して、制御方式についてお話ししたいと思います。

PTP制御(Point to Point Control) 

産業用ロボットをティーチングする際の制御方式の一つです。位置決め点だけを決定し、その点を通過する経路は制御の対象とはしません。メリットとしては、移動時間の高速化が図れることと、ティーチング作業を簡単に行うことができます。産業用ロボットの用途としては、スポット溶接やマテハン作業で採用されます。位置決め点のみが重要で、それ以外の経路は問わない用途で採用されます。

CP制御(Continuous Path Control)

位置決め点だけではなく、その経路も制御対象とする方式です。定められた経路や速度で動作することが可能です。そのため、レーザカット・アーク溶接・塗装作業の用途で採用されます。位置決め点付近で細かく加速度を設定したり、重複する経路を設定したりして、加工品質を高めることがあります。さらに、実際にはレーザ出力や周波数を調整するなどにより、品質をさらに高めていきます。

KeiganALIの走行モード

KeiganALIでもこのような”PTP制御”・”CP制御”と同様の指令を与え、走行モードを修正することができます。

”座標移動”モード

PTP制御の方式と同様に、スタート地点とゴール地点のみ指定すれば、その間の経路はKeiganALI自身が計算して走行します。経路途中で仮に障害物があれば、それを回避する経路を生成して走行し、迂回して走行します。

“経路移動”モード

 CP制御方式と同様に、スタート地点とゴール地点を結ぶ経路上をKeiganALIが走行します。経路途中で仮に障害物があれば、障害物が移動するまでその地点で停止し、迂回する動作には移行しません。実際の床面にラインテープを貼付していなくても、疑似的なAGVのように走行します。

走行モードの使い分け

障害物を迂回して走行する”座標移動”モードが、AMRの特徴なのですが、実際の現場においては、障害物があれば自律走行せずに、その場で停止してほしい場合もあります。例えば、人や台車が行き交う共存エリアでは、安全のためにAMRを停止させたいケースです。

KeiganALIは、”座標移動”と”経路移動”を選択できるところが特徴です。走行させる場所や運用の違いにより、上記の走行モードを適切に切り替えて、最も使いやすいタスクを設定してください。

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この記事を書いた人

京都大学大学院 工学研究科精密工学修了。
約20年間、電機メーカーで生産システムの開発、新規事業・新工場の立ち上げに従事。
先進的なロボット開発と伝統的なモノづくりを融合し、新たなムーブメントを起こすべく、2022年からKeiganで活動。
ロボットシステムの導入や営業活動を主に担当。自身の専門分野の幅を広げ深掘りしながら、技術ブログを執筆中。

高橋正樹 | Masaki Takahashi