高橋正樹 | Masaki Takahashi
2024-05-31

さて今回も、Maker Faire Kyoto2024で出展した展示品の製作過程の連載続きです。ボールの飛距離を伸ばすため、試行錯誤が続きます。

ボールに初速を加えてみる

搬送ローラに接触する前に、ボールに初速を加えることにしました。下図のように、搬送ローラーの前に、ストッパー(緑色)を取り付け、ストッパーが解除されるとボールが転がって、回転している搬送ローラーに接触させることとしました。結果は、飛距離0.1m。少しですが、飛ぶようになってきました。

ボールを交換したらどうなる?

飛びやすいボール=弾性変形しやすいボール!ということで、ボールそのものを交換しようと考えました。初めにトライしたのは、たまたま自宅で見つけたサッカーボールでした。少し調べてみると、小学生の公式試合で使用される日本サッカー協会規格認定の4号球。直径は約20.5㎝、重さは370g程度と、細かく規格が定められておりました。確かに硬いし、ローラーでは変形しにくい感覚。

さらに余談ですが、競技用ボールの物理特性の評価結果は、国立大学法人 千葉大学 研究紀要第46巻 ”各種サッカーボールの物理特性”に詳しく記述されていました。競技用ボールは、弾性係数ではなく、反発係数という指標で評価されているんですね。

さて話を元に戻して。良く跳ねるボール(図中のオレンジ色)に交換し、再トライです。購入したボールは直径170mm。搬送ローラーの位置を修正して、一番いい位置を探します(試作4)。結果、飛距離は0.3m。

さらに飛距離をのばそう!

飛距離が伸びてきました。搬送ローラの直径を大きくして周速を上げ、さらにボールの変形量を増やすために、搬送ローラを傾けて取り付けたところ、ボールの飛距離は0.5mとなりました。

ボールの飛距離が0.5mとなり、ようやく展示できる様にはなってきたので、メカ的な作業はこのあたりでひと段落とします。

さて、次回はソフトウェアを作成していきます。

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この記事を書いた人

京都大学大学院 工学研究科精密工学修了。
約20年間、電機メーカーで生産システムの開発、新規事業・新工場の立ち上げに従事。
先進的なロボット開発と伝統的なモノづくりを融合し、新たなムーブメントを起こすべく、2022年からKeiganで活動。
ロボットシステムの導入や営業活動を主に担当。自身の専門分野の幅を広げ深掘りしながら、技術ブログを執筆中。

高橋正樹 | Masaki Takahashi